[Hanae] 日米学生会議を終えて

ご無沙汰しております。スミス大学4年のはなえです。来年の5月には卒業なんて俄には信じがたいですが、これがスミスでの最後の一年となります。悔いが残らないようにがんばりたいと思います!

さて、スイスでの留学も無事に終え、今年の夏休みはJapan-America Student Conference (JASC)こと、日米学生会議にアメリカ側参加者として出席させて頂きました。本当に貴重な経験が沢山積めて、今までで一番充実した夏休みを過ごせたと思います。今回は今年の会議内容について、そしてちょっとしたリフレクションを書きたいと思います。
JASCとは?
まず初めにJASCとは何か。短くまとめると日米の学生が約一ヶ月間を共に過ごし、日米に留まらず様々な問題や課題について学び、ディスカッション・議論を行う場が設けられる会議です。プログラムには7つの分科会があり、うちどれか一つに所属し、その成果をファイナルフォーラムで発表します。今回は参加者としての経験を主に語りたいので、詳しく知りたい・興味のある方は公式ウェブサイトを拝見することをお勧めします。

第67回日米学生会議
JASCは毎年交互に日本とアメリカで行われており、今年の開催地は日本でした。私たちアメリカ側参加者は日本へ向かう前にオリエンテーションの為、ロサンゼルスに7月30日から2日程集まりました。日本側参加者は春合宿などで既に顔を合わせていましたが、アメリカは広すぎるので今回会うのが初めて!スカイプ越しなどで本会議に向けて様々な準備をしてきましたが、やはり直接顔を会わすとみんな印象が違いますね(笑)。日米の関係に興味を持っている生徒が集まる会議なので、実のある話や意見交換などができ、とても充実した2日間でした。私はReligion as a Means, Religion as Meaning (和訳名:宗教の意義とその役割) の分科会に所属しており、メンバー同士とは特に仲良くなれました。


東京から広島へ移動中
オリエンテーションが終われば本会議に向けて日本へ出発!今年の第一サイトは広島だったので、ロスからサンフランシスコ、サンフランシスコから東京、東京から広島と言う実に過酷な乗り継ぎを経て、日本側参加者の待つ広島女学院に向かいました。ちょっとしたウェルカムサプライズも仕掛けてくれてて、参加者全員の親睦もより深まりました。

さて、広島サイトのテーマは平和と日本産業で、私たち参加者は様々な体験をしました。今年は終戦70周年ということで、広島平和記念式典に参列したり、平和記念館への訪問、広島県知事との面会などいたしました。被爆者の方々や関係者などと直接会い、話をきく機会もあり、改めて平和について深く考えさせられました。他にも、マツダ本社やオタフクソース本社などに訪問させていただき、戦争後どのように広島復興に向けて関わってきたのかを知る機会もありました。両社とも、広島の人たちの支えになっており、また逆も同じ。世界的知名度の高い会社であっても、地元の人々との関係を何より大切にしていると言う事に少し驚きつつも感心いたしました。他にも宮島へ行ったり、お好み焼き作り体験など、楽しい時間もたくさん過ごせました。


お好み焼きうまく焼けたかな?
次に向かったのは島根。日本人も含め、殆どの参加者も今回が初めての島根でした。到着してまずはじめに行ったのはホームステイ。日本側とアメリカ側参加者がペアになり、ホストファミリーのもとへ向かいました。私たちを受け入れてくれたのは、なんとお寺さんで、お経を聞きながら隣の家で食事をするなど、日本人でさえ滅多に経験出来ないことをさせていただきました。とてもグローバルな住職さんで、色々なお話を伺えました。宗教の分科会に属している私にはまさに当たりだった訳です(笑)。一泊二日と言う短い期間でしたが、とても楽しかったです。さて、島根でのテーマは地方創生でした。現地の人たちの様々な話や課題などを伺い、観光・産業・教育の面からどのようにして課題を乗り越えられるか、学生達がアイディアを出し合い、その成果を地方創生フォーラムで発表しました。今や世界はグローバル化に向けて前進しがちですが、JASCを通して地方の大切さをより実感出来たと思います。他にも出雲大社への正式参拝なども行い、とても充実した6日間でした。

地方創生フォーラムにて
レセプションではしまねっこが来てくれました

次のストップは京都。ここでは主に歴史と文化に付いて学びました。3日間と言う短い間でしたが、五山送り火を生で見れたり、裏千家では茶道について現当主のご長女から直々にレクチャーをしてもらったりと、大変貴重な経験をさせていただきました。フリータイムでは、私たち宗教の分科会は清明神社と下鴨神社に向かい、日本の宗教についてより深く考える場を設けました。広島や島根、そして次の東京サイトとは違い、忙しいスケジュールの中少しばかりリラックス出来た京都でした。

宗教の分科会@清明神社
さて、最終目的地は東京。青山大学でのファイナルフォーラムに向けて、各分科会もより忙しくなってきました。初日は羽田空港で開催されたインフラ未来会議で、国土交通省、官公庁、ANAや日本航空の方々の話を伺ったり、ネットワーキングをしました。他にも、日韓学生フォーラムの参加者とともにアメリカ公使公館にて意見交換なども行いました。20日に開催されるファイナルフォーラムの準備も大詰めで、みんな寝る間を惜しんでがんばっていました。当日の朝は、リハーサルなどで新たに発見された心配要素などもありましたが、無事フォーラムを行う事が出来ました。他の分科会は主にレコメンデーションを発表していましたが、私たち宗教の分科会はひと味違うプレゼンだったと思います。私たちは、多くの日本人が抱いている宗教への偏見をどうしたら少しでも和らげられるかについて話しました。そして、日本人の生活に根付いている様々な習慣が仏教や神道にルーツがある事、そしてまず宗教に対しての興味や理解を煽る事が大切だと言う事を指摘しました。そして、様々なバックグラウンドを持つ私たちの分科会が、一ヶ月の短い間でどう相違理解を得られる事が出来たかと言う経験談をもとに、発表を行いました。SuzuとMomohaもわざわざ私の分科会の発表に来てくれて、とてもやりがいがありました。翌日は外務省主催のレセプションにて、ささやかなお祝いをし、プログラムは幕を閉じました。
ファイナルフォーラム後の宗教分科会
最後に
JASCの一ヶ月間を語るには言葉では足りませんが、少しでも皆さんが興味を持ってくれたらなと思います。参加者全員が口をそろえて言うのは “JASC is a life-changing experience”。まさにそうだったと思います。私はJapanese-Americanですが、JASCを通して両国についてたくさん学べたと思います。今年は日本で開催されましたが、日本人参加者も改めて自分の国について学べたと、後悔している人はまったくいませんでした。今回JASCに参加して私が一番大切だと思ったのは、参加者全員と築いた絆。これは一生ものだと思います。本会議が終わったからと言って、第67回日米学生会議が終わった訳ではありません。今回の経験と縁が私たちのこれからの未来にどう関わって行くか、とても楽しみです。


外務省主催のレセプション
ひとつ言い忘れていたのは、JASCはstudent-lead conference。つまり、前年のアメリカと日本側参加者計16名が実行委員となり、この学生会議を企画し、実現させています。この度私はアメリカ側実行委員になり、来年の第68回日米学生会議を他の15人と共に企画しております。来年の参加者にも、life-changing experienceが体験出来るように、よい会議を作りたいと思っています。この長いブログをここまで読んでくれてありがとうございます。もしJASCに興味のある方がいれば、是非コンタクトしてくだい。メールはjasc68.hmiyake@gmail.comまでよろしくお願いします。

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